【Once again to the Rider】 Vol.1


見た目が好き!でいいじゃないか。

文:北岡博樹

むかし『バイクが欲しい!』って思った理由って何だっけ。
スピードが出るから? 移動に便利だから?
違う。それがカッコよかったから乗りたかったはずだ。
欲しいと思う理由が、見た目が好き!でもいいじゃないか。
だってそれは、いちばん純粋な気持ちなんだから。

  それに乗る『自分』をイメージする
まだ免許も無くて、それでもバイクが欲しくてたまらなかった頃を思い出してほしい。

きっと、寝ても覚めてもバイクのことばかり考えていたはずだ。

じゃあ、その1歩手前……最初にバイクに興味を持ち始めた理由は何だっただろう?

理由は人それぞれ。

速さが理由だったかもしれないし、最初は移動のアシとして考えていたかもしれない。

でもみんなに共通することが、ひとつだけあるはずだ。

バイクのカッコよさに、惚れた。


自分はこれに乗るんだ! そう心に決めた時は、みんな同じ気持ちだったと思う。

そして、それに跨る自分を想像してワクワクした。

そうやってボクたちは『バイク乗りであること』を選んだのだ。

モデル/平嶋夏海さん

もちろんそこには男女の垣根なんて無い。

あるのは純粋に『乗りたい!』っていう気持ちだけ。

お金とか時間とか暮らしの環境も含めて、みんなハードルはいくつもあったはずだ。

でも、それら全部を情熱だけで乗り越えた。

バイクに乗りたい!と思う理由なんて、たぶん、それで充分なのだ。

  時代に流されない、という価値感もある

W800 STREET

でも昔と違って、今はデジタル全盛の時代。

流行なんて、スマホの中で3ヶ月もあれば移り変わってしまう。

そんな中で蘇ったW800 STREET/CAFEの2台には、だからこそ価値がある。

ずっと昔から引き継がれる普遍性。

そして、このスタイルはカワサキの歴史に刻まれたマイルストーンのひとつでもあるのだ。

 大いなる遺産
1966年に生み出された650-W1。

当時として日本最大となる624ccの排気量を武器に、カワサキが世界へ挑んだ最初のバイク。

言うまでも無く新世代W800シリーズには、その偉大なる歴史へのオマージュがこめられている。

復活したW800シリーズは半世紀も前に生まれたW1のスタイルを現代に継承する。

50年以上前から受け継がれる普遍性は、これからも時代や流行に左右されることはないのだろう。

 変わらないことの大切さ
そういう価値があることを、今、新しい『W』はもういちど教えてくれる。

  その美しさを現代に受け継ぐ難しさ
でも、その普遍的なスタイルを現代に甦らせることは、ボクたちが考えるよりもずっと難しい。

特に平成28年排出ガス規制により装着が義務付けられたチャコールキャニスターという無骨な浄化装置がもたらす異物感は、継承されるべきWの美しさを致命的に崩してしまいかねない。

 新しいW800シリーズが『W』らしさを失わないために、どうすれば良いか?
そこにはデザイナーとエンジニアの、アイデアと技術があった。

先代よりもすこし大きくなったガソリンタンク。

驚くべきことに、この裏側にキャニスターを『隠した』というのだ。

日本のメーカーならでは、と言うべき繊細な配慮。

呆れるほどの美意識の高さ。

それを持って、新しいW800シリーズが生み出されていることを、すこしだけ知っておいて欲しいと思う。

  W800 STREET/CAFEは『懐古主義』に終わらない
しかも、その2台は単純な懐古主義的バイクじゃない。

名車650-W1のスタイルを踏襲しつつも、現代的にアレンジがなされている。

そのために新生W800シリーズにはSTREETとCAFEという、ふたつのスタイルが与えられたのだ。

特に目を引くのはショート化されたリアフェンダー。

重厚さを重んずるクラシックスタイルの基本としては、もっと長く深いフェンダーが作法なのだけれども、W800 STREETの印象はちょっと違う。

すこしライトで、その名が示すとおりの“ストリート感”がある。

もちろん、全身がマットブラックに統一されたことの影響も大きいだろう。

これは女性目線でも同じこと。

今回、W800シリーズを一緒にテイスティングしてくれた平嶋夏海さんとしては

『変に色気を出していないっていうか、ぜんぶが黒でまとまっているのがお洒落ですよね』

と素直に言う。

20代の女性としても、W800 STREETはシックな印象、ということだ。

ところでW800 STREETの質感を上げてくれるクラシカルなタックロールシート。

それを平嶋さんは『いも虫みたいでカワイイですよね、これ!』なんて、男性には想像もできない目線で捉えていた。

感性の違いって、オモシロい!

  もう1歩先を歩むW800 CAFE
そしてW800 CAFEは、STREETよりもさらに踏み込んだ『W』の新解釈。

ヘッドライトに装着されたビキニカウルが主張するカフェレーサースタイルだ。

シート形状もスポーティで、ハンドルは低く構えるクラブマンスタイル。

ノーマルでこういうハンドルの採用は本当に珍しい。

これはもうメーカーの手によるファクトリーカスタムだと言ってもいいだろう。

ちなみに平嶋さんは特にカフェのメーターまわりがお気に入り。

『カウルがあるだけで雰囲気が変わりますよね。メーターがぎゅっと収まってる感じが好き』

感じたことに、素直。

こういう感覚も“バイク乗り”ならでは、だろう。

  もういちど、バイクへ還る
カワサキの『W』は新しく生まれ変わった。

けれど、根底にある大切なものはずっと受け継いでいる。

もういちどバイクに乗りたい、と志した時、こういう「変わらないもの」があることは大きな安心だろう。

それはつまり、長く付き合えるっていうことだからだ。

しかもクラシック一辺倒じゃないから、楽しみかたにお仕着せのルールが存在しない。

『わたし自身、クラシックなスタイルが好きだから、街で見かけたら絶対に目がいってしまいます。自分で乗るなら、お洒落もして、ちょっとした日帰りツーリングとかにたくさん出かけたい!』


彼女の言うとおり、ライトにファッションとして楽しむのだって新しいW800シリーズは受け入れてくれるだろう。

もちろん、こだわりのスタイルで装って、遠くへ旅に出るのだっていい。

スポーティに走りを味わうのだって、特にCAFEなら最高だ。

そうやって新世代のW800シリーズは、再び『バイク乗り』としての自分に出会わせてくれるに違いない。

目を閉じる。このバイクに跨る自分をイメージする。

見えてくるのはどんなシーンだろう?

でも、それらすべては大切に守り続けられる『W』に美学があればこそ。

今より、カッコいい自分になる。

だから、もういちどバイク乗りとして生きる。

再びバイクへ還ろうと思う理由なんていうのも、きっと、それで充分じゃないか?

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